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2017年7月2日

節電でなく無電? 江戸時代の夏を楽しむ


夏本番、間近!
この時季、地球の環境を考えて「節電」「省エネ」などといわれますが、最近の夏は、家の中でさえ熱中症が怖いのに、電気を使わずに生きていくなんて絶対無理! と思いますよね。

でも、電気のない江戸時代にも、同じように暑い夏はあったはず。
江戸っ子たちは、どんなにふうに夏を過ごしていたのでしょうか?

江戸時代の人々の暮らしから、現代の夏にも使えそうな、電気要らずの技をご紹介します


【江戸の技、その一】扇風機の代わりに…



扇風機が初めて発売されたのは、アメリカ。
日本に初めて輸入されたのは、明治時代、1893年のことでした。

それまで、暑さをしのぐ涼風を庶民に送る役目は、「うちわ」が担っていました。
夏を描いた浮世絵などにも、うちわはよく登場していますね。
竹に和紙を張ったものを手で動かす、まさに「無電の扇風機」というわけです。

「扇子」と「うちわ」の違いは、折り畳めることだけ、と思われがちですが、実は、扇子は、江戸時代、とても高価なものでした。そのため、使える人は、武士や公家のみ。
うちわは庶民、扇子は高貴な人、と身分を表す道具でもあったわけですね。

確かに現代でも、夏のイベント会場などで、うちわは無料配布されるけれど、扇子がもらえるなんてことはありませんね。
おしゃれに持つなら、バッグにもすっと入る扇子でしょうか。
日本橋の老舗などで、粋な扇子を探してみるのも楽しそうですね。


【江戸の技、その二】エアコンをつける前に…


本当は、地球環境的にも家庭の経済事情的にも使いたくはないけれど、暑すぎる夏はエアコンをつけっぱなし、という家も多いかも。電源をONにする前に、江戸時代のひと工夫を!

細く割った竹を糸で編んで作られた「すだれ」の歴史は、かの万葉集にも登場するほど。しかし、古くは宮廷や寺社仏閣で仕切りや目隠し、日よけとして使われてきました。

それが、江戸時代には庶民へも広がり、東京都伝統工芸品にも・・・・・