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2017年6月18日

その日に備えて…介護問題を考えてみる


介護保険を払い始めた人も、そうではない人もちょっと気になる介護の問題。まだまだ先のことと思っているかもしれませんが、今のうちから考えたいこと。その介護問題について解説します。


Check1.おカネ事情を把握する


(1)在宅介護

・ヘルパーが家に来て身の回りの世話をしてくれる「訪問介護」は、1時間3,880円
・診療補助や栄養管理指導のため、看護師、保健師が訪問してくれる「訪問看護」は、1時間8,140円
・介護施設に行き、入浴や食事のサービスを受ける「デイサービス」は、1回6,560円より

このうち自己負担は、年収によって1割もしくは2割に定められています。また、受けられるサービス内容や回数は、市区町村が認定する要介護レベル1~5によって異なり、それ以上のサービスを受けたいときは全額自己負担となります。

歩くことも一人ではできず、排せつや入浴、着替えなどにも介護を必要とする要介護レベル3で、1カ月およそ8万円かかるといわれています。

(2)介護施設なら

介護施設によって、施設もサービスも異なるため、料金は様々です。平均的な施設で1カ月およそ15万円といわれています。

(3)費用が必要な年月

介護が必要になるのは、だいたい75歳を過ぎたころから。
また、日本人の平均寿命は男性80.75歳、女性86.99歳(2015年)なので、父親は5年、母親は12年と考えられます

それぞれ計算してみると
◆父親の場合
在宅介護:8万円×12カ月×5年=480万円
介護施設:15万円×12カ月×5年=900万円

◆母親の場合
在宅介護:8万円×12カ月×12年=1,152万円
介護施設:15万円×12カ月×12年=2,160万円

とにかくお金がかかる、ということはわかりましたね。
これに加え、在宅介護の場合はスロープや手すりなど住宅リフォームが、介護施設の場合は最初に入居一時金がかかったりすることもあるようです。

(4)親の貯金はいくらある?

実際、これだけの金銭的負担を引き受けることが難しいケースもあるでしょう。
兄弟で協力してお金を用意するにしても、自宅のローンが残っていたり、子育て世代で教育費にお金がかかる時期であったり、いろいろな事情があることも。もし、あなたが一人っ子ならなおさらです。

年金や貯蓄など、両親のお金に頼るのが現実的なところ。どれだけ使える現金があるのか、ざっくりでも早めに聞いておきたいですね。

※金額は2017年5月末時点のもの


Check 2.介護用語を最低限知っておく!



聞いたことはあっても「よくわからない」という介護の専門用語は多いもの。ある程度の基礎知識は、頭に入れておいて損はありません。例えば

(1)ヘルパー、介護福祉士、ケアマネジャーの違いは?

ヘルパー」は、日常的な家事を提供する生活援助と、食事介助、入浴介助、排せつ介助など直接お年寄りの体に触れる身体介護を行う人のことです。

介護福祉士」はケアワーカーとも呼ばれる国家資格を持っている人。ヘルパーとの仕事内容は基本的には変わりませんが、現場の責任者になったり、ヘルパーに介護指導を行ったりします。

ケアマネジャー」は、お年寄りと介護保険サービスをつなぐ仕事。介護相談から、ケアプランの作成、要介護認定の書類作成などを行います。介護が必要となったとき、最初に出会うのが「介護支援専門員」とも呼ばれるケアマネジャーです。

(2)特別養護老人ホームとグループホーム、有料老人ホームの違いは?

比較的費用が安いため、入居が難しいのが「特別養護老人ホーム」(特養)。同じ公的施設の「介護老人保健施設」(老健)が、入所原則3カ月と限定されているのに対して、特養は長期入所が可能。要介護3以上のお年寄りが、終の棲家として安心できるそう。

認知症のお年寄りが入居する施設として最初に考えられるのが「グループホーム」。家庭に近い環境で、それぞれの能力に応じて料理や掃除などをこなしながら共同生活を送ります。認知症に特化しているため、寝たきりではケアできなかったり、健康が悪化したりすれば退去しなければならない場合も

民間企業が運営し、自立しているお年寄りでも入居できるのが「有料老人ホーム」。月額費用や入居一時金が高くても、24時間看護師が常駐していたり、病院を併設していたり、安心感があるのが特徴。サービスは施設によって大きく違うので、確認が必要です・・・・・