お悩み 「3年くらい前から、生理中に便をする時、ものすごく痛いことがあります。痛みで声が出てしまうほどです。生理中には下痢になることも多く、下痢の痛みよりも便を出すまでが痛いです。ネットには、子宮内膜症かもしれないという書き込みもあって心配です。痛みがなくなれば月1回の苦痛から解放されるのですが、何かよい方法ないでしょうか？」

回答

ぽてうささん、こんにちは。
月経中に排便痛がひどく、子宮内膜症ではないかと心配されているのですね。月経時に排便痛が起こる疾患としては、やはり子宮内膜症が考えられます。

●子宮内膜症とは

子宮内膜症とは、本来は子宮の内側にしか存在しないはずの子宮内膜が、「卵巣」や「腹膜」「ダグラス窩（か）」と呼ばれる子宮と直腸の間など、子宮以外の場所にできる疾患のことを言います。月経のある女性の約10％に子宮内膜症があると考えられています。

･子宮内膜症の出血について。痛みはあるの？

子宮以外にできた子宮内膜も、本来の月経と同じような変化が起こるのです。つまり、月経時にここでも出血が起こるのですが、通常の月経とは違い、出血を体外に排出することができず、炎症や痛み、癒着の原因となってしまいます。卵巣に子宮内膜症ができると、たまった古い出血がチョコレートのように見えるので、「卵巣チョコレートのう腫」と呼ばれます。

･子宮内膜症になる原因

子宮内膜症になる原因は、はっきりとは解明されていませんが、月経血が卵管からお腹の中へ逆流し、そのままとどまってしまうという説や、腹膜がなんらかのきっかけで子宮内膜に変化したという説があります。

･子宮内膜症の主な症状

子宮内膜症の主な症状としては、激しい月経痛、腰痛、性交時痛、排便痛などがあり、月経を繰り返すごとに年々症状が進行するのが特徴です。特に性交時痛や排便痛は、ダグラス窩に病変がある場合に起こりやすくなります。

●子宮内膜症が心配な場合は婦人科の受診を

まずは、婦人科を受診して、子宮内膜症などの疾患がないかどうか診察を受けることをお勧めします。通常、内診や超音波、血液の検査などで疾患の有無がわかります。
子宮内膜症であった場合は、鎮痛剤で痛みを抑えたり、ホルモン剤で症状を軽減したり、病変の進行を抑えていきます。検査結果に基づいて、必要に応じて今後の治療などについても相談されるとよいでしょう。

これらのアドバイスが、ぽてうささんのお役に立てれば幸いです。