カラダ
2019年2月17日

閉経まで数年…子宮筋腫のため生理痛がつらい…どうしたらいいの?


[目次]

  • お悩み
  • 回答
  • ・子宮を取る選択肢「単純子宮全摘」とは
    ・単純子宮全摘のメリットとデメリット
    ・人為的に閉経状態にさせる「偽閉経療法」も…


    お悩み


    「ここ1~2年激しい生理痛が起こるようになり、婦人科を受診したところ、子宮筋腫の診断を受けました。だいたい子宮の体積が4倍になっているとのことでした。
    年齢的に閉経が近いので、このまま様子観察すると言われましたが、生理の度に激しい痛みがあり、薬を飲んでも効きにくいこともあります。
    また、鎮痛剤を飲み続ける事も心配です。夜勤のある不規則な仕事のため、仕事中につらくなることもあり、支障が出てしまう時もあります。
    様子観察をしますし、生理痛を我慢する以外に方法はないのでしょうか?」
    50代
    かえでさん



    回答


    かえでさん、こんにちは。
    ずいぶんつらい状況のようですね。「我慢する以外に方法はないか?」とのご質問ですが、方法はあります。

    ●子宮を取る選択肢「単純子宮全摘」とは

    「単純子宮全摘」、つまり卵巣は残して子宮だけ摘出する手術です。子宮筋腫と生理痛に対する根本的な解決策です。私としては、受診先の婦人科でどうしてこの選択肢が提示されなかったのか、むしろ疑問です。
    「あと数年で閉経すれば生理痛もなくなるから、たった数年の痛みのために子宮を取ることはない」という判断なのか、あるいはかえでさんご自身が「子宮は女の象徴だからどんなことがあっても取りたくない」と希望なさったのでしょうか?
    もしそのような事情でないのでしたら、やはりかえでさんの状況では単純子宮全摘がお勧めです。

    ただ、そう言われても子宮を取るというのは重大な選択ですから、そのデメリットとメリットをきちんと知っておきたいと思われるでしょう。

    ●単純子宮全摘のメリットとデメリット

    ・メリット:生理痛と子宮がんのリスクからの開放

    子宮筋腫のため生理痛がつらい 単純子宮全摘のメリットとデメリット

    メリットは、言うまでもなく子宮筋腫の症状、生理痛から解放されることですが、それに加えてもう1つ、子宮に発生するがん=子宮頸がんと子宮体がんの心配から永遠に解放されます。

    ・デメリット:手術の跡、更年期障害、尿失禁など

    子宮摘出は、経膣手術が可能なこともありますが、子宮の体積が4倍になっている状況では開腹手術になるかもしれず、その場合はお腹に手術の跡が残ります。
    他に、頻度は低いですが、手術の際に間違って卵巣に行く血管を傷つけると、卵巣機能が低下して更年期障害が発生することがあります。
    また、これも頻度は低いですが、尿道括約筋(にょうどうかつやくきん)を傷めると、尿失禁を生じる恐れがあります。

    ●人為的に閉経状態にさせる「偽閉経療法」も…

    子宮摘出のデメリットとメリットはおよそ上記のとおりです。
    これを読んで「やっぱり子宮を取りたくない」と判断されるなら、薬を使って人為的に閉経状態にさせる(生理を来なくさせる)「偽閉経療法」が可能です。生理が来ないから生理痛もなくなります。
    また、筋腫も縮小する可能性もあります。
    ただ、この偽閉経療法では当然のことながら更年期障害が生じます。現在の生理痛の苦しみと更年期障害の不具合と、どっちがましかという選択になります。

    これらの対応法のデメリットとメリットを慎重に考えて、かえでさんご自身が選んでください。
    今回のアドバイスがかえでさんのお役に立てれば幸いです。