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カラダ
2010年10月7日

精神疾患による服薬は、胎児に影響がある?

妊活・プレママ


松田ゆたか
この記事の執筆者
松田ゆたか
婦人科医・心療内科医。
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「可能性はどれくらいあるのでか?」という質問に、「何パーセントくらい」と答えられるとよいのですが、残念ながら、裏付けできるようなデータがありません。
今後もそのようなデータが得られる事はないでしょう。

なぜならデータを得るためには、ひとりやふたりでなく、何百人、あるいは何千人という妊婦さんに実際にその薬を飲んでもらい、妊婦さんと新生児にどれくらいの頻度で問題が生じるかを観察しなければならず、何よりこんな人体実験が許されないからです。

いくつかの薬については、動物実験のデータがあります。
また、薬によっては、たまたま妊娠中も服薬していたグループと、服薬していなかったグループを比較し、このグループの間に奇形や流産の発生率に差があるかを調べたデータもあります。

ただし、これらのデータは同じ薬であっても、いくつかの研究機関から別々のデータが出されており、それぞれが互いに矛盾する(一方のデータでは「危険」とされるのに、もう一方のでは「危険でない」とされる)事があり、確定的に言い切れないのが実情です。

そういうわけで、特定の薬(例えばソラナックス)について、確実に「危険だ」「危険じゃない」と断言はできません。
しかし、一般論として、かなり確実に言える事があります。

それは、
@「危険」とされる薬でも、ごく例外的な場合を除けば、奇形や先天障害の発生率を1〜2%高める程度でしかない。
A妊娠中に薬を(精神科系の薬に限らず、どんな薬も)飲まなくても、奇形や先天障害は2〜3%くらいの確率で発生する。
という事です。

ですから、服薬による胎児への影響は、世間で取り沙汰されるほど大きなものではないといえます。

ただ、投薬の件とは別に、サトさんのように精神科系の薬を飲みながら妊娠したケースについて、私はふたつの事を心配します。

まず、たまたまサトさんのようなケースで奇形や先天障害の子供が生まれた場合、ほとんどのお母さんが「一定の確率で起きる事だから、しかたない」と考えず、「自分が薬を飲んでいたからこうなったんだ」と自分を責めてしまうのです。

実際には、それが薬によるものなのか、薬とは無関係に起きた事なのか、誰も分かりません。
ですが、たいていのお母さんは(そして周囲の人たちも)そう考えてしまいます。

次に、妊娠やその後に続く子育ては、精神的にかなりの負担がかかります。
精神科系の薬を服用しなければならない状態で、この負担に堪えられるかどうか…この点も心配です。

今は、このふたつの心配に対して「大丈夫です」と答えられるかどうか、よく考えて結論を出してください。

どんな結論であれ、サトさんの気持ちが少しでも前向きになるよう、祈っています。
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