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カラダ
2016年11月24日

乳がん、子宮頸がんにならないためには?

子宮の病気


松田ゆたか
この記事の執筆者
松田ゆたか
婦人科医・心療内科医。
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がんとひと口にいってもいろんながんがありますが、どのがんについても、親ががんだと子どももがんにかかる確率が多少なりとも高くなります。それは、がんそのものは遺伝しませんが、がんになりやすい素質、体質は遺伝するためです。また、親子で同じような生活環境にいる、似たような生活習慣を身につけてしまうことも、がんになる確率を高める原因のひとつです。
このような一般論を踏まえて、次に乳がんと子宮頸がんについて個別に説明します。

乳がんに関しては、そのリスクを高めると推測される遺伝子が既にいくつか発見されています。そのうち特に危険な遺伝子を持っていると、一生のうちに50%以上の確率で乳がんになります。数年前、話題になったアンジェリーナ・ジョリーさんが持っていたのがこの遺伝子で、彼女は、50%以上の確率でがんになるのなら、がんになる前に乳房を切除することを選択したのでした。

ただし、これほど危険度の高い遺伝子は2つだけで、ほかの乳がん関連遺伝子は、それを持っていると乳がんになる確率が持たない人より数十%高まるという程度です。乳がんの生涯罹患率は現在の日本で6〜7%ですから、低リスクの乳がん関連遺伝子を持っていても、乳がんにかからないままである確率の方が高いので、むやみに心配する必要はありません。だからといっても油断は禁物ですから、乳がん検診はきちんと受けてください。

子宮頸がんの場合、遺伝もある程度は影響しますが、何といってもHPV(ヒト・パピロマウイルス)の感染の有無が決定的です。HPVに感染していなければ子宮頸がんに「ならない」と断言してもいいほどです。逆に、HPVに感染していたら必ず子宮頸がんになるというわけではありません。感染している人の何十人かに1人が発症するという意味です。HPVについては、2013年7月前半の質問とそれへの回答も参考になさってください。

次に予防についてです。
子宮頸がんの場合、現時点でHPV陰性ならHPVワクチン(世間で「子宮頸がんワクチン」と呼ばれているもの)を接種することでがんにかかる確率を20%以下に減らすことができます。乳がんの場合、確実な予防法はないのですが、高脂肪・高カロリー食は乳がんのリスクを高めることがわかっているので、食事に気をつけることでリスクを下げることはできます。

質問文に「検診以外の予防法」とありますが、乳がんと子宮頸がんは検診で早期発見しやすいがんの代表です。がんそのものは予防できなくても、がんによる死は予防できますから、年1回以上の頻度で受けるようにしてください。

現時点で、がんの一次予防(罹患そのものを防ぐこと)は、子宮頚がんと肝細胞がんについてはある程度可能になっていますが、それでも100%ではありません。他のがんの場合、一次予防はかなり難しいので、二次予防(早期発見してがんによる死を防ぐこと)が重要になります。この点を理解して、ニーナーさんも現代医学で可能な範囲でがんの予防を心がけてください。

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