そっけない言い方になりますが、「これはやはり尿もれでしょうか? 」という質問には、「尿が漏れることがあるなら、尿漏れ(尿失禁)です」とお答えせざるを得ません。
尿失禁にはいくつかタイプがありますが、一番多いのは「腹圧性尿失禁」と「切迫性尿失禁」です。


腹圧性尿失禁は、くしゃみなどで腹圧が上がると尿漏れを起こす状態です。
一方、切迫性尿失禁は、急に激しい尿意を感じてトイレに行くまでに尿漏れを起こすとか、普通尿意を感じてもトイレに行くまで我慢できずに尿が漏れるという状態で、すないしさんはこのケースに当てはまります。ぼうこうがちょっとした刺激で収縮しやすくなっているのが原因と考えられています。

対処法は、(1)薬物療法、(2)ぼうこう訓練、(3)骨盤底筋体操が主なものです。

(1)薬物療法
薬物療法では、ぼうこうが急に収縮するのを抑える薬や、ぼうこうを弛緩させてより多くの尿をためておけるようにする薬が使われます。

(2)ぼうこう訓練
ぼうこう訓練は、尿意を我慢してぼうこうが急に収縮しないよう慣らしていく訓練です。最初のうちは5分、次は10分、その次は15分というふうに、できる範囲で尿意を我慢する訓練をします。

(3)骨盤底筋体操
骨盤底筋体操は、尿道を締める骨盤底筋の収縮力を高める訓練です。腹圧性尿失禁の治療に使われますが、切迫性尿失禁にも有効です。

これらの治療には、本来ならば泌尿器科を受診するのが望ましいのですが、泌尿器科は女性にとってとても敷居が高い診療科でした。最近は、女性専用の受診日を設定してくる泌尿器科もあります。

また、婦人科の中にも失禁の相談に乗ってくれるところがあります。すないしさんもインターネットで探したり直接電話で問い合わせたりして、受診なさってはいかがでしょうか。