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カラダ
2017年8月24日

子宮頸がん。ネット上で悪く書かれていて、世間の目が怖い

子宮の病気

ココロの不安・心配事


松田ゆたか
この記事の執筆者
松田ゆたか
婦人科医・心療内科医。
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「こんにちは。先日、子宮頸がんの検査をしたところ、高度異形成〜上皮内がんの可能性があるため、精密検査が必要との診断結果が出ました。がんについての記事は真面目に読んだことはなく、知識も興味もなかったため、診断を受けてからいろいろ調べるようになりました。しかし、ネットを見ると子宮頸がんについて、『経験人数が多い人がなる』『性的に奔放な人がなる』など悪く書かれていました。
病気そのものも怖いですが、世間の目が怖く、病気について変な目で見られたら…と憂鬱な気分です。どうすれば良いでしょうか」

yukky19さん


回答


このコーナーでも何度か「インターネットの医療情報は8割方ガセネタだ」と書いていますが、何ともたちの悪いニセ情報が出回っているものですね。

女性の性が厳格に抑圧されているイスラム諸国でも子宮頸がんは多いですし、日本でも、女性への束縛が強かった半世紀ほど前から子宮頸がんは女性のがんによる死亡原因のトップグループにありました。こうした事実だけでも、子宮頸がんと性的な活発さとは無関係で、その種の情報がウソだということを立証できるのですが、もう少し詳しく医学的に説明しましょう。

子宮頸がん。ネット上で悪く書かれていて、世間の目が怖い

その種のニセ情報は、
・子宮頸がんはHPV(ヒト・パピロマ・ウイルス)に感染しないと発症しない
・HPVはセックスでうつる
という事実(これは嘘ではなくて事実)から、論理の飛躍と短絡思考で生み出されたと思われるので、まずHPVと子宮頸がんについて基本的なことを説明します。

HPVはごくありふれたウイルスで、細かく分類すると100種類以上のタイプがあります。このうち、いくつかの高リスク型HPVに感染すると子宮頸がんになる危険があります。

ただし、高リスク型HPVに感染すると必ず子宮頸がんになるわけではありません。「HPVに感染しないと発症しない」ということは、「HPVに感染したら必ず発症する」という意味ではないのです。高リスク型HPVに感染した何十人かのうちの一人くらいが、感染して数年あるいは数何十年して子宮頸がんになります。

ここでまずわかることは、子宮頸がんの発症は、HPVに感染するかどうかよりも、感染したあとに実際に発がんのプロセスが始まるかどうかのほうが決定的だということです。
そして、それを決めるのは、食事や喫煙(受動喫煙も含め)などの生活習慣、免疫力、遺伝的な素質など、様々な要因であって、これらの要因の方が子宮頸がんの発症にとって重要なのです。

もうひとつ、忘れていけないのは、子宮頸がんの原因となる高リスク型HPVはごくありふれたウイルスで、男女を問わず半分以上が保有しているという事実です。
ですから、奔放でなくても、HPVに感染する可能性はいつでも誰にでもあるのです。

子宮頸がん。ネット上で悪く書かれていて、世間の目が怖い

これに関連して、yukky19さんのパートナーにとって意地悪なことを書き添えておきます。yukky19さんは誠実で、パートナー以外とは性交渉を持たないとしても、パートナーが初めからHPVを持っていたら、yukky19さんは感染します。あるいは、パートナーが浮気者なら、浮気の相手からパートナーがHPVをもらい、それをyukky19さんに感染させることはあり得るのです。実際、そういうケースはざらにあると思いますよ。

セックスとHPV感染と子宮頸がんの関連は以上のとおりです。
「経験人数が多い人がなる病気、性的に奔放な人がなる病気」などと本気で言う人がいたら、説明してあげてください(この文章をそのまま見せてもいいです)。
あるいは、説明する手間をかけるほどの相手でないなら、その人の無知を軽蔑してください。yukky19さんが気に病む必要はありません。
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