カラダ
2018年3月17日

スマホでバカになる…? 言葉を知って、よく考えることの大切さ

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脳の疲れ・病気

こんにちは。皆さんは、「スマホをたくさん使うと頭が悪くなる」といった話を耳にしたことありませんか? 実際、"考える力"の衰えを感じている人もいるでしょう。
今回は、現代の考える力について、私が医師として、今一般の医療をしていて感じたこと、日頃、読者様からいただくお悩みを見ていて感じたことについて、書いてみます。


気になる"人から聞いた話"のウソ本当


気になる

最近、いただくお悩みに
「天然成分由来の化粧品って、いいの?」
「一度開いた毛穴は元に戻らないって本当?」
「肌は化粧品に慣れるって本当!?」
というような、友達からの言葉や、テレビやネットで目にした情報について、「先生、本当ですか!? 教えてください!」という質問が多くなっています。
これらは、ぱっと見た感じでは、普通の質問に見えます。しかし、本当に自分にとって困ったことを訪ねているものではないと思いますし、質問の意味をわかっていないように思えます。

先日、医院の外来に、おなかが痛く下痢しているという患者さんがいらっしゃいまして、診療の最後に「で、私は風邪ですか」と聞かれました。
少し前までは、おなかの症状で来て「で、私は風邪ですか?」などと質問する患者さんはいらっしゃらなかったのですが、最近はそのようなことを聞く患者さんが多くて、少し困ります。
心の中でつい、「風邪の定義は何ですか?」と問いかけたくなることもあります。多分、多くの方は風邪の定義を知らないでしょう。つまり、自分が何を質問したのかもわからずに聞いているということなのです。

根本的な問題は、「"言葉を知らずに"使っている人が、日本でも多く増えている」ということ。私が心配しているのは、20年ほど前と比較して、最近の日本では、人として思考する力、自分で判断する力が落ちているのではないかということです。この先、日本が、いや、世界がどうなっていくのか心配でなりません。


言葉の意味を知らずに、感覚的に使ってしまう現代人


言葉の意味を知らずに、感覚的に使ってしまう現代人

最近、ラインなどチャットアプリで使う絵文字やスタンプのほうが、文字より感覚的に意味がわかって良い、みたいなことがいわれていますね。確かに、感覚的というのは便利ですし、必要な場面もあります。

しかし私たち人間が、全ての動植物の中で、良い意味でも悪い意味でも最強といわれているのは、言語を用いて事細かなことを頭の中で考えることができ、それを他人が思考的に共有できるからとされています。
すなわち、言葉の意味を知って、しっかり考えて、想像して、判断し、それらを他人と伝え合う能力が、人間の要といえるでしょう。
イメージでしか考えられない人間は、精緻なことを考えられないのです。語彙が少なければ、得られる情報も少なくなります。

しかし、情報とは、単に言葉の意味を知れば良い、ということではありません。情報を知るためにはある一定以上の知識が必要です。

特に、女性の皆さんが興味のある、美容や健康の広告などでは、おしゃれなイメージとともに、耳馴染みのない造語や横文字を使い、感覚的な訴求をすることが多いです。
皆さまには、このサイトを通じて、また、かかりつけ医や、その他の信頼できる専門家の力を借りて、言葉の本当の意味、正しい知識を身につけ、美容と健康に役立ててほしいと思います。


★回答:
池袋メトロポリタンクリニック院長。
同クリニックでは美容皮膚科、肥満外来など、特殊な医療も行っている。
http://www.metropolitan-clinic.com/