カラダ
2018年4月15日

結婚を考えている彼氏がいるが、ひどいPMS(月経前症候群)を理解してくれない

月経前症候群(PMS)

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「数年前よりPMSと生理痛がひどくなりました。特に気持ちのむらが激しく、自分でも理解できないイライラ感があります。自分なりに心を落ち着かせる方法を探して対策はしているつもりです。
しかし、自分ではどうしようもない、激しいイライラ感が出るときがあり、それがデートと重なって彼氏を怒らせてしまいました。後悔して謝ろうとしても、またイライラ感が出てきて…という悪循環に。
体調が落ち着いたときに、PMSについて説明して彼にわかってもらおうとしたのですが、『男性なので理解できない。それは精神力的な問題』とか言われてしまいました。結婚も考えて付き合っている相手だけに、突き放されたようでとても悲しいです。 どうやって話をすれば、わかってもらえるでしょうか?」

30代前半
いわちゃんさん



回答


最初に絶望的なことをお話しします。「自分は男性なのでわからない。理解できない」と言い切る相手に、女性特有の悩みをわかってもらうのはとても難しいことです。ほとんど不可能でしょう。
こんな回答を読むと、それこそ「突き放されたよう」な気持ちになるかもしれませんが、くじけないでこの先も読んでください。絶望的な場面でもアドバイスはあります。

●相手を変えるより、自分を変えるほうが、結果が出やすい



まず、相手にわかってもらう努力をするより、自分を変える方法を探すほうが、結果が出やすいでしょう。と言っても「精神力的な」努力でPMSを抑え込むのではありません。PMSの症状そのものを軽くする、可能であれば解消する工夫をするのです。そのための方法はいくつかあります。

・PMS症状を緩和に効果的な薬

まずはピルです。低用量ピルであれ、中用量ピルであれ、PMSを軽くする効果を期待できます。
次に、漢方薬がいくつかあります。「加味逍遥散(かみしょうようさん)」や「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」などは、PMSに有効です。
それから、精神安定剤です。毎日飲まなくても、本当にイライラがひどいときだけ頓服する使い方もあります。

これらの方法でPMSの症状を軽くすれば、彼氏を怒らせることも減る(なくなる)し、相手にわかってもらう必要もなくなるわけです。
さらに付け加えれば、相談文では彼氏さんとの関係だけを書かれていますが、PMSによっていわちゃんさんが心ならずも怒らせたり傷つけたりしている人は他にもいるはずです。PMSの症状を抑えることによってそれらの人たちとの関係も改善するでしょう。

薬、とりわけピルや精神安定剤を使うことには心理的抵抗があるかもしれませんが、薬への抵抗感とPMSによるデメリットのどちらが大きいか、冷静に考えてください。私は、PMSによるデメリットのほうが大きいと思うのですが、いかがでしょうか?

●お互い理解し合う相手なのかも考えてみる



次に、これもまた破壊的な意見かもしれませんが、いわちゃんさんの切実な悩みに対して「自分は男性なのでわからない。理解できない」と言い切る人は結婚相手として適切でしょうか?

結婚とは、お互いに相手を理解し合おうとする意志と努力によって支えられるものではないでしょうか。いわちゃんさんが彼氏を理解しようと努力するだけでは、もしかするといつか破綻してしまうことがあるかもしれません。

破壊的な意見ですが、これを逆転すると、相手に「わかってもらう」ための論理に使えます。
彼氏もいわちゃんさんとの結婚を考えて付き合っているなら、「結婚生活を円満に続けるにはお互いが相手を理解し合う努力が必要だから、私もあなたを理解するよう努力するけど、あなたも私を理解するよう努力してほしい」と情理を尽くして説明するのです
このように説得しても「自分は男性なのでわからない。理解できない」と言い張る相手なら、そのときこそ、結婚を真剣に考え直すほうが良いと思います。

もともとの質問に直接答えないような回答になりましたが、この場でお伝えしたかったのは、相手の考えや行動を変えるより、自分の考えや行動を変えるほうが簡単で確実だということです。このような回答に納得してくださいましたか?


★回答:
婦人科・心療内科医。