カラダ
2018年7月22日

子宮を全摘出しても更年期障害は起こるの?|更年期症状のメカニズム

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「20代から子宮筋腫があります。定期的に検診を受けていますが、時間が経ち、かなり大きくなってしまいました。 そろそろ手術が必要と言われるかもと、検診の際には緊張します。妊娠出産も終えているので、子宮全摘もありえることに覚悟はしていますが…。 ところが、つい先日子宮の無い人には更年期症状は起こらないと聞き、疑問が出てきました。更年期の症状は子宮が無くても起こるものなのでしょうか?それとも逆に子宮が無くなると、女性ホルモンが減るから更年期障害のようなことが起こりますか?実際、どうなのでしょうか?説明してください!よろしくお願いします」

30代後半/レモンわささん



回答


レモンわささん、こんにちは。
子宮筋腫があり、手術で子宮全摘する可能性があるのですね。そして、子宮が無い人に更年期症状が起こるのか起こらないのか、というご質問ですね。

まず、更年期についてご説明しましょう。

●更年期とは

更年期は閉経の前後各5年間のことをいいます。
日本人女性の平均閉経年齢の約50歳を基準とすると、更年期は45歳~55歳ということになります。

●更年期障害とは

40代後半になると、卵巣から分泌される女性ホルモンのエストロゲンが、急激に低下することで、女性ホルモンの司令塔である脳の視床下部がパニックを起こしてしまいます。

同じく司令塔が視床下部にある自律神経もつられてバランスを崩し、ホットフラッシュや疲れ、肩こり、めまい、頭痛、冷え、イライラ、落ち込みなど、「不定愁訴」といわれる様々な症状が起こります。

症状の種類や程度には個人差があり、同じ人でも日によって症状の現れ方が異なることもあります。

これらの更年期症状が、日常生活に支障をきたすような状態を、「更年期障害」といいます。

●更年期症状と女性ホルモンの関係

このように女性ホルモンは、子宮ではなく卵巣から分泌されるので、子宮全摘をしても卵巣を残していれば、ホルモンは分泌され、上記のような変化が起きますので、更年期症状が起こらないわけではありません。
ですが、症状には個人差がありますので、必ずしもつらい症状が起こるとも限りません。

いずれにしても、レモンわささんは、まだ30代後半とのことですので、まだ更年期の心配はしないでよいでしょう。

これらのアドバイスが、レモンわささんのお役に立てれば幸いです。


松村圭子
★回答:
婦人科医。成城 松村クリニック院長。