ココロ
2017年7月27日

結婚や妊娠に抵抗がある私は、未熟な人間ですか?


お悩み


「はじめまして。ご相談させてください。
私は今年32歳になりますが、結婚や妊娠に対して抵抗があります。親子連れを見たとき、『あんな風になりたくない』と思ったり、結婚している友達からいろいろ写真を見せられても、どう反応して良いか困ったりします。

今まで彼氏は数人いました。でも、結婚したいと思ったことはありませんでした。一度、プロポーズされたこともありますが、私の考え方が原因で別れました。

こんな自分は未熟な人間なのでしょうか。結婚して、子ども産んでこそ一人前…やはりそうなのでしょうか。
ずっと一人暮らしだったのですが、寂しいと感じたこともあまりありません。でも、老後を一緒に過ごせるパートナーは欲しいと思っています。
乱文、ごめんなさい。アドバイスいただければと思います。よろしくお願いいたします」

30代前半
カリサアヤさん


回答


人それぞれ、価値観や幸福観は違っているし、生きがいを見出す対象も様々でしょう。ですから、他の人がどうであれ、カリサアヤさんはカリサアヤさんの良いと思うものを追求して良いのです。
そもそも人は、他の人を傷つけない限り、自分の思うように生きていいのですから。過剰な気配りはやめて、もっと伸び伸びと生きてください

「結婚して、子どもを産んでこそ一人前」というのは確かに伝統的な発想ですが、伝統がすべて正しいわけではありません。もし、伝統がすべて正しいのなら、今の世にも奴隷制や一夫多妻制が存続していることでしょう。伝統もまた、他のあらゆる事柄と同様、時の流れの中で移りゆくものなのです。


今の日本では、人口減少や少子高齢化が大問題とされていて、子どもを産むよう促す風潮がありますが、これもまた時の流れの中で変化するものです。私が若い頃、30~40年前は、狭い国土に人が溢れるのを心配して、人口抑制が叫ばれていました(当時、今より人口は少なかったのです)。今現在でも、ちょっと視点を変えればまったく別の発想が開けてきます。

例えば、地球温暖化は今流行のテーマですが、地球環境にとって人口増加は重大な脅威であり、人口減少こそ環境保全にとっては望ましいという発想も合理的な根拠があります。

あるいは、今の日本では人手不足が問題ですが、これから20~30年後にはAI(人工知能)の発達によって雇用の半分が消失するという予測もあります。この予測が正しいなら、今から生まれる子どもの半分は職にあぶれることになるから、それを見越して子どもの数を減らしておくほうが良いことになります。

要するに、昔ながらの伝統も今現在の常識も、確実な根拠があるわけではないし、これからずっと不変不動なはずもないのです。子どもを産むことが正しい選択なのかどうか、今この世界に生まれることが子どもにとって幸せなのかどうか、誰も確かなことはいえません。

そうであるからこそ、各人それぞれが、自分にとって「良い」と思う生き方を選ぶのが、社会にとっても良いことといえます。多様性(diversity=ダイバーシティー)は昨今の流行語ですが、様々な人が多様な生き方をしているほうが、これからどのような未来が待ち構えているにしても、社会全体としては柔軟に対応できるでしょう。

話が大きくなってしまいましたね。個人の視点に戻っても・・・・・