ココロ
2017年7月26日

ワーキングメモリーが低くなって仕事に支障が…。原因は?


お悩み


「ここ最近、短期記憶というか、ワーキングメモリーがひどく、職場で差し障りが出るレベルになってしまって困っています。例えば、電話に出ると、お客様の名前を一度で覚えられず、必ず聞き返してしまいます。聞き取れないのとは違うのです。いつもパニックになって慌ててしまうのです。
また、仕事の指示が一度で理解できず、何度も聞き返してしまい、周りの人に呆れられてしまいます。業務のメモを取って仕事を覚えようとしていますが、なかなか覚えられず、人事考課にも悪影響を及ぼすほどです。
もともと頭が悪いと自覚がありましたが、最近は自分でもおかしいと思う程知能が劣化していると思います。母にまで『最近どうしたの?』と指摘されてしまいます。
職場が合わないため、ストレスがひどいせいでしょうか? それとも何か若年性認知症のような病気にかかっているのでしょうか?」

40代
シンシアさん


回答



シンシアさん、こんにちは。お仕事のお電話で相手の名前を一度で覚えられない、仕事の指示が一度で理解できないといったことが、職場で支障が出るほどになって、どうしたのかとお悩みなのですね。
人事考課にも悪影響が出ているということは、職場の人からも何か言われてしまっているでしょうし、おつらいでしょうね。

●「高次機能障害」や「若年性認知症」または「うつ病」の可能性を考えてみる

さて、こうした症状の原因が何なのかを考えてみるとき、まず、第一に考えてみるべきなのは、身体から来る原因がないかどうかです。


シンシアさんは、こうした症状が気になる前に、交通事故や脳卒中などを体験されましたか? もしそうした体験があるのでしたら、考えられる原因の一つには「高次脳機能障害」と呼ばれる障害があります。
高次機能障害とは、交通事故や脳卒中、または脳腫瘍などで脳の内部、あるいは外部に外傷がある場合に、集中力が落ちてしまったり、もの忘れが増える、予定を忘れてしまう、計画ができないなど、脳の働きに支障が出てくるものです。

また、「若年性認知症」では、もの忘れや予定を忘れてしまうなどの記憶障害がありますが、覚えられないというよりも、忘れていることを指摘されてもそもそも予定を自分で入れたことを覚えていない傾向があります。
また、今日の日付や、自分が何処にいるのかといったこともわからなくなるような障害が出てきます。

ですので、上記のような症状にも心当たりがあるようでしたら、一度、脳神経外科、脳外科、神経内科などで検査を受けることを優先してください

もう一つ、脳の状態の変化から来ている可能性があるものとして、「うつ病」が考えられます。
うつ病によって、集中力や気力が落ち、脳の回転が遅くなってしまうことで、考えられなくなったり、集中できない、思い出せないといったことが起きてきます。

もし長期間にわたるストレスで、・・・・・