ココロ
2018年8月22日

うつ病とは?周りの人がうつになったら、どう接したら良いの?

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「会社の人がうつ病で退職しました。直接、仕事を一緒にしていたわけではないのですが、すごく驚きました。
最近、うつ病の人が増えていると聞きますし、新型うつというものもよく耳にします。今までうつとは無縁な人生だったのですが、これを機に、うつについて知っておきたいと思いました。
うつとはなんですか?症状や接し方について教えてください。よろしくお願いいたします」

30代前半
ナミ恵さん



回答


★回答:
臨床心理カウンセラー。国際基督教大学心理学卒業。


ナミ恵さん、こんにちは。
一緒にお仕事をしていた程の近い関係ではなくても、同じ会社の方がうつ病で退職されたことに驚かれ、この機会に、もう少しうつについて知りたいと思われたのですね。

ひょっとすると、うつとは無縁な人生を送ってこられたナミ恵さんにとって、同じ会社の方という身近な存在が、うつ病で退職されたというのは、ショックなことだったのかもしれませんね。またよく分からないものというのは、不安に感じますね。ですから、ナミ恵さんが、うつについてもう少し知りたいと思われたのも、とてもよくわかります。

ではさっそく、「うつとは何か?」ということについて考えてみましょう。

●「うつ」とは?どう診断されるの?



まず、現在の精神医療においては、患者さんが発症している症状が診断基準を満たしているかどうかによって、どのような病気なのか診断されます。
そして、その診断基準のメジャーなものとして、アメリカ精神医学界が発表している「Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders」 略して、「DSM」と呼ばれる診断基準があります。DSMの最新版は、DSM-5というもので、2013年に発表されました。

【うつ病の診断基準「DSM-5」】

DSM-5によると、うつ病(正式には、「大うつ病エピソード(Major Depressive Episode)」は、
・次の1から11のうちの症状の5つ、もしくはそれ以上が2週間の間に継続して存在していること。
・その5つの症状のなかには、1と2が必ず入っていること。
という基準があります。

1.ほとんど1日中、ほとんど毎日の抑うつ気分(悲しみ、空虚感、涙が止まらないなど)

2.ほとんど1日中、ほとんど毎日の、すべての活動、またほとんどすべての活動における興味または喜びの喪失

3.食事療法をしていないのに、著しい体重の減少、あるいは体重の増加がある。または、ほとんど毎日の食欲の減退または増加

4.ほとんど毎日の不眠、または睡眠過多

5.ほとんど毎日の精神運動性の焦燥(強い焦燥感でジッとしていられない、ウロウロと動きまわる、早口で話し続ける)または制止(動作が鈍くなる、話し方が遅くなる、口数が少なくなる)

6.ほとんど毎日の易疲労性(疲れやすい)、または気力の減退

7.ほとんど毎日の無価値観(自分には価値が無いと感じる)、または過剰もしくは不適切な罪責感(必要以上に自分を責める)

8.ほとんど毎日の思考力や集中力の減退、または決断困難

9.死について繰り返し考える、自殺について繰り返し考える、自殺についての計画

診断基準からもわかるように、うつ病と一言で言っても、様々な現れ方をしますので、それを知っておくことが大切かと思います。

ちなみに、「新型うつ」というものは、正式な診断名のなかには出てきません。

上記で見た症状からは・・・・・・