最近は、オイル(油)の種類にこだわる人が増えてきました。
魚に含む脂肪、肉に含む脂肪、バターやラードなどの動物性の脂肪、オリーブ油などの植物性の油、いろいろです。

栄養･食事指導の現場でも、ダイエットや健康、美容のため、高カロリーである油を避けようとしている方々は少なくありません。
しかし、それでかえって空腹を招いて間食が増えたり、便秘になったりとダイエットの邪魔をしている場合も多いことも気になることです。

まず、オイルの効用について考えてみましょう。

オイルの効用

＊ビタミンEを含み、老化防止、アンチエイジングにも役立つ
＊便秘予防
＊血行を促進　冷え改善
＊新陳代謝を活発にする
＊腹持ちがよく、過食予防にも役立つ
＊脂溶性ビタミンの吸収を助ける
＊不飽和脂肪酸を含み生活習慣病予防に役立つ
＊肌の乾燥を守る

上記のように、肌荒れ、便秘予防、過食予防など、女性にとって大いに役立つ大切な栄養素であります。

健康とダイエットの良いオイルは?

オイルは、「脂肪酸」という成分で構成されています。
脂肪酸は「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」と大きく分けられ、さらに不飽和脂肪酸は、「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」に分けられます。

また、構成する炭素数の長さにもよっても「長鎖」「中鎖」「短鎖」に分類されます。


動物性のバター、ラードには、主に飽和脂肪酸、植物性のオイルには、主に不飽和脂肪酸が多く含まれます。

健康のため、ダイエットのためには、不飽和脂肪酸の利用を多くしたほうが良いといわれています。
また、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の割合によって、オイルの性質や体内での働きも異なります。

オイルには、いろいろな種類があり、それぞれに独特な特徴があります。さて、オイルの基礎知識がわかったところで、いま、注目を集めているオイルの味わいと、性質をいくつかご紹介しましょう。

オリーブオイル

緑黄色でオリーブの香りがあります。

･成分と効用

成分は、不飽和脂肪酸の中の一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸を80％近く含みます。コレステロール値を安定させる働き、腸の蠕動運動を活発にさせ便秘予防に効果があります。
さらに、酸化防止、老化防止、冷えの改善に役立つビタミンEも含みます。

･使い方

果実を搾って、ろ過しただけのバージンオイルは加熱料理に向き、さらに品質の高いバージンオイルは香りも高いのでドレッシング、マリネなど生食がおすすめです。

亜麻仁油･えごま油

【亜麻油】
青味のあるフレッシュの香りとの苦味が特徴。
最近は独特の苦味、風味が苦手な人のために、この風味、苦味を徐去したものも市販されています。

【えごま油】
さらっとしていて、味も匂いもほとんどありません。

･成分と効用

成分は、多価不飽和脂肪酸の1つであるα‐リノレン酸を60％近く含んでいます。
α‐リノレン酸は、体内で作れない必須飽和脂肪でもあり、そのうえ、体内でDHA、EPAに変換される特性を持ちます。
中性脂肪を下げ、血栓ができるのを防止するなど、生活習慣病予防、美肌効果、さらに花粉症予防に役立ちます。

･使い方

酸化しやすく熱に弱いので、加熱調理には向きません。ドレッシングに使ったり、冷奴や出来上がったスープ、味噌汁にかけるなど、生食がおすすめです。･････