お悩み

「以前母の体調や介護、その際のストレスなどで相談させていただきました。
母が退院し、これから転居に関わる、金銭面も含めた手続き、母の薬の管理やその他、やるべきことがまだまだ残っている状況です。
ですが、そんな状況にもかかわらず、最近なぜか恋愛、結婚、性的欲求や願望が時折心にふと浮かびます。40歳代近くになっても、仕事をしていて既婚の同僚を何人も見ていても、そういった感情はほとんどなかったのですが、なぜか最近そういう気持ちが芽生えてきました。

恥ずかしながら、50歳になる現在まで、特定の人と恋愛やお付き合いをした事も無く、セックスの経験も一度もありません。同性の友人はいますが、彼女自身の個人的諸事情で、異性や性的な話は好きでは無く、現実的な恋愛やセックスの話をしたことは無く、母も恋愛経験はそれなりにあるらしいのですが、当人は性的交渉はどちらかというと嫌いで、私にも『そういう行為は結婚相手か、結婚するとハッキリ決まっている人としなさい』と、10代の頃から言われ、それを成人してしばらくの間信じてきました。
ただ『諸々のストレスによる、精神的寂しさや孤独感を埋めたいために、こんなことを考えてしまっているのか』とも考えてしまいます。そういう意識から来る恋愛や結婚はしたくはありませんし、すべきではないと思っていますが…。

このまま恋愛やセックス、異性との心の交流を知らずに行くのか…、恋愛や異性との肉体的、精神的交流のよろこびを望む気持ちと、他にやるべきことが山積していて、今、その気持ちを形にしたり行動に移すべきではない、そんな時間や余裕は無い、という両方の気持ちが心のなかにあります。
『やるべきことがあるのにという罪悪感』と『それでも拭いきれない自分の欲求のやり場』に、精神的に混乱し、新たなストレスを感じている様な状態です」

回答

冷夏さん、こんにちは。
これまで興味がなかったり、そういう気持ちにならなかった恋愛、結婚、性的欲求がふと心に浮かび、自分はこのまま歳を重ねていってよいのか、でもそんなことをしている場合ではないのではないかという葛藤(かっとう)があり、混乱していらっしゃるのですね。

お母さんの介護に多くのエネルギーと時間を必要とし、やらなければならないことに追われる忙しい日々のなか、ふとご自分自身の寂しさや人生への疑問を持たれたのですね。冷夏さんの疲労感と孤独感、そして心に吹いたすきま風を振り払おうとする感じが伝わってきました。

●50歳だから悩む「ミッドライフ･クライシス」

冷夏さんは、50歳になられたのですね。今回感じていらっしゃると、現在の年齢が関係しているかもしれません。
というのも、この時期は人生を振り返り、自分の人生はこれで良かったのかと思い悩み、焦り、落ち込む時期であり、「ミッドライフ･クライシス（中年期危機）」と呼ばれる時期だからです。

この時期には、多くの人が自分の人生で得られなかったこと、できなかったことを考え、いろいろな形で喪失体験をします。どんな人生を送ってきたのであっても、得られなかった人生の側面、生きてこなかった側面について思い悩み、これで良かったのかと混乱するのがミッドライフ･クライシスなのです。

冷夏さんは、特定の方との恋愛、お付き合いをされる機会を得ら･････